捨てられないもの
まったく感傷的ではない性格に加え、長年の経理業務での職業病とも言うべき「癖」で、すべてのものを「必要」「不必要」に分け、不必要と分類されたものは次の瞬間、捨てます。
次女が就職して独立したとき、つぎの1週間で次女の部屋を勉強机だけを残して空っぽにしました。(勉強机は高価だったし、わたし自身が使いたかったので必要だったんです)
幼稚園時代の絵やら小学校、中学校の卒業の日に友達から書いてもらった手紙だのなんだの… 「捨てられない性格」の次女が残していった90リットルのごみ袋12袋分の「不用品」を片付け、さっぱりしていたら、夫に「え、全部捨てたの!?」とびっくりされたというより詰られました。
「次女が、思い出に置いときたかったんじゃないのか?」
「あなたの実家にあなたのものなんて何もないけど、思い出は消えてなくなったの?」 ふん、と鼻で笑って無視しましたょ。(^^);
死ぬまでに、わたしが写っている写真だの、書いたり書かれたりした手紙だのは責任を持って可能な限り全て捨てるつもりです。
アルバムやフォトブックはほとんど処分して、わたしの子供の頃の写真はもう手元にはありません。と、言うか、1年以上前の写真は捨てています。直近の写真は遺影用に置いてますが、「これは嫌だな」と思った写真は昨日の旅行の写真でも捨てます。
思い出を置いておくのが好きじゃないんです。
この辺は、臨床心理の専門家に一度聞いてみたいんですが、なんらかのトラウマかもしれないですね…。
そんな私にも捨てられないものがありまして…
母が母校からもらった卒業記念のペーパーナイフ。
60年くらい前のものになるのですが、自由の女神が彫ってあって、右腕はすでに折れてなくなっています。
なんの思い出があるわけでもないこのペーパーナイフなんですが、あまり幸せではない結婚をして、将来の夢も打ち砕かれてしまった母の無念が宿っている気がして、わたしが死んだら一緒に燃やしてもらおうと思っています。
銅製なので、お棺に入れるのを断られるかもですが。( ;∀;)
そうなったら、資源ごみにでも出してもらいましょうか。 (- -)